2014年7月4日金曜日

老眼鏡のいらない時代

現在、日本では多くの高齢者が白内障の手術を受けるようになっています。

白内障は老化現象ですから、原理的には全ての人が罹患するわけです。
手術は、程度によって受けるべきかどうか変わってくるので、全ての人が手術するわけではありませんが…。

現在の白内障手術では、濁った水晶体を超音波で砕いて、目の中から取り出します。

そのままですと当然見えないので、代わりになるレンズを入れてあげないといけません。

眼内レンズというのですが、これは人間の元から持っている水晶体と違って、ピントを合わせてくれる力がありません。

ということは、遠くが見えるように合わせて手術をすると、近くが老眼鏡なしには見えなくなりますし、

近くにピントを合わせて手術すると、遠くを見るためには、遠く用のメガネが必要となります。

どちらにせよ、手術の後はメガネなり老眼鏡が必要というわけです。

なんとかこれらのメガネなり老眼鏡なりを使わずに生活できたら、とても便利ではないかと皆さんが思われることでしょう。

どうせ手術するなら、そういう問題も解決してくれないのか、と。

そこで最近、遠くにも近くにもピントを合わせてくれるレンズが開発されました!

人の水晶体のように、あらゆる距離でピントを合わせてくれるわけではありませんが、遠くに合わせて手術を行いながら、近くにもピントが合うという、画期的なレンズです。

コンタクトレンズでも同様に遠近両用のレンズが発売されていますが、いい時代になりました…

特に日本人は老眼鏡をかけることを恥ずかしがる傾向にありますので…

当院でも、遠近両用の眼内レンズによる手術を行ってきましたが、ひとつ問題がありました。
手術の料金が高いのです。

健康保険が適用されないため、検査から手術まで、全てが自己負担になるため、またこのレンズが非常に高額なためです。

さらには、まだ新しくできた手術なので、こちらとしてもあまり安く行うことに抵抗があったこともあり、当院では片目が50万円という金額でさせていただいておりました。

ですが、国内でもすでに多くの方がこの手術を受けられており、安全性の確保や、どのような方に勧められるのかなど、自信を持ってお勧め出来るようになってきました。

ただ、このままの高額な手術では、興味のある方でも尻込みしてしまいます。

そのようなわけで、平成26年7月から、手術の料金を変更することとしました。
詳しくは、多焦点眼内レンズのページをご覧ください。