なぜこんなことをするかというと、近視をなくして度数をゼロにするのがレーシックなのですが、
ほんの少し、やり過ぎ=過矯正にして少し遠視側に持って行ったほうが、若い方であればピントを合わせる力があるので、裸眼での視力が良い場合があるのです。
ところが、実際には遠視の状態になっているわけで、常に眼の中のピントを合わせる筋肉を働かせ続けないといけなくなり、疲れてくる夕方以降や夜間にピントが合わせられない、ひどい場合は頭痛や自律神経系の異常といった症状が出てくるのです。
常識的な眼科医であれば、メガネやコンタクトレンズの処方の際にも、あるいは白内障手術での眼内レンズの度数を決める際にも、過矯正だけは起こさないよう、研修医の頃から基本中の基本として心がけているわけです。
見かけ上の派手な謳い文句や症例数、視力の向上成績といった文言には、裏の意図をよく読みとる必要があります。
ぜひとも、信頼出来る医療機関で手術を受けるようにしましょう。
ちなみに当院では、絶対に過矯正だけはおこさないという考えのもとに行っております。
(したがって結果的に矯正が足らずに再矯正が必要となるケースも起こりえますが、過矯正になるよりは良いと考えます。
過矯正はもとに戻すことが不可能というわけではないのですが、実際には困難なことがありますので。)
レーシック手術の後遺症深刻 夜間視力低下、自律神経に変調…
2013.9.25 00:58 [病気・医療]
近視矯正のレーシック手術を受けた後、夜間視力の低下や自律神経の変調などの後遺症を訴える事例が6~8月に約50件報告されていたことが24日、被害者団体の調査で分かった。団体などは同日、後遺症に関する実態把握を進めるよう厚生労働省に要望書を提出した。
団体によると、後遺症として多く挙げられたのは、治療で角膜を削り過ぎる「過矯正」に関する訴え。手術後に激しい目の痛みや腫れ、けいれんが生じたケースや、近距離に焦点が合わなくなった-といった訴えが寄せられた。中には、太陽や蛍光灯の光をまぶしく感じ、「夏場は屋内でもサングラスをかけている」「夜間の自動車の運転が困難になった」など、日常生活に深刻な影響を及ぼしているケースもあった。
団体をサポートする高梨滋雄弁護士によると、レーシック手術は美容医療を専門とする法人が運営する医院で実施されることが増えている。ただ、後遺症が生じても取り合ってもらえないケースも多く、高梨弁護士は「手術にはメリットもあるが、デメリットもある。適切な情報が患者サイドに開示されていない恐れがある」と指摘する。
レーシック手術は、視力回復のため、角膜の表面を薄く削ってめくり、レーザーで内側の組織を削って目の屈折率を矯正する手術。痛みが少なく十数分程度で手術でき、手術後数日で視力が回復する手軽さから、手術を受ける人が増加している。
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